福島県魏業立地ガイド

航空宇宙産業

AEROSPACE
INDUSTRY

ふくしま企業立地サポート

福島県が企業立地に優れている理由

05認証取得支援や人材育成などを通じて、
航空宇宙産業への参入をサポート。

航空宇宙産業

近年、福島県浜通り地域を中心に、航空宇宙産業に携わる企業が数多く進出している。福島県は、2017年における航空機用エンジンの部分品・取付具・附属品出荷額で、東京都に次いで全国第2位。中には、2010年に地球へ帰還した小惑星探査機「はやぶさ」、その後継機「はやぶさ2」の製造に携わった企業や団体も少なくない。なぜいま、福島県で航空宇宙産業が盛り上がりを見せているのか。県企業立地課でその理由を聞いた。

  • 大手企業進出をきっかけに、
    県内企業が次々と参入。

    福島県には、航空エンジンなどを製造する重工業メーカーIHIが立地している。同社は、1998年にジェットエンジン部品の製造を目的とした相馬第一工場、2007年に相馬第二工場を開設。これを受け、取引を行う県内企業も出始めた。
    現在、県内で航空宇宙産業へ参入している企業は、航空機産業で38社、宇宙産業で31社。各社が取り組むのは、ジェットエンジンのブレードをはじめとする部品の製造、ロケット関連部品や宇宙衛星通信関連部品の製造のほか、通信機器の設計、近赤外線分光計の観測など多岐にわたる。そのうち8つの企業や団体が、2020年に帰還予定の小惑星探査機はやぶさ2の製造に関わった。
    福島県では、さらなる産業の集積に向けて、航空宇宙産業へ力を入れている。

    はやぶさ2には県内の企業や団体による部品
    および研究技術が用いられている

  • スタートラインに立てるよう、
    県が企業を全面的にサポート。

    航空宇宙産業へ参入するには、さまざまなハードルをクリアしていく必要がある。そのひとつが、航空宇宙・防衛産業の品質マネジメントシステムに関する国際規格JISQ9100などの認証取得だ。
    そこで県では、認証取得に必要な費用の一部を認証取得等支援事業補助金として支援。資金面でのサポートのほか、専門講師を企業に派遣し、認証取得のための指導を行っている。
    また「福島県航空・宇宙産業技術研究会」を組織しており、現在58社・団体が加入。福島県ハイテクプラザが事務局を担い、県企業立地課と連携しながら各種研修・セミナーの開催、技術的支援、会員相互の情報交流を図っている。商談会等への出展支援にも積極的だ。
    新規参入を考える企業にとっては、県が他社との橋渡し役となることで新たな取引につながる可能性が高まる。研修やセミナーへの参加を通し、企業自体のレベルアップも図れるだろう。県内企業を支援する県企業立地課の清水彰一課長は「積極的に制度を活用してほしい」と話している。

    専門家による認証取得支援や各種セミナーを通して企業をサポート

  • 周知と興味づけを兼ねたイベントで、
    ビジネスチャンス創出を促す。

    県では、航空宇宙産業の普及・啓発を目的としたイベントも開催している。そのひとつが毎年行っている「ロボット・航空宇宙フェスタふくしま」だ。イベントは2017年からは2日間にわたって実施。1日目は商談などを行う企業向けとして、2日目は商談に加えて家族連れなどの一般来場者を対象として開催している。
    航空宇宙関連の42企業・団体が合計79ブースを出展し、2日間で約9,600人が来場。企業同士の情報交換や商談の場が設けられ、新たなコラボレーションやビジネスチャンス創出が促された。2日目には宇宙飛行士による講演、JAXAおよびANAの協力による展示や体験教室を開催。子どもたちを中心とした一般来場者に航空宇宙分野への興味づけを図ることで、次世代の人材育成にも努めている。
    また、県内外の企業から講師を招いたセミナーも随時開催。他社の技術や研究成果を学ぶことで、ノウハウ共有による技術向上を後押ししている。

    商談や各種講演などを通し、ビジネスチャンス創出を促すイベント