福島県魏業立地ガイド

ロボット産業

ROBOT

ふくしま企業立地サポート

福島県が企業立地に優れている理由

032019年度末オープンを前に、
ロボット関連企業の進出相次ぐ。

ロボット産業

震災復興や原発廃炉に向けて産業集積が進む福島県。中でも注目を集めているのがロボット分野だ。その拠点となっているのが、福島県南相馬市と浪江町に立地する福島ロボットテストフィールド。ロボットやドローンの試験は、安全性や法律といった制約の中で行われるが、ここは陸・海・空でのテストが自由に、一体的に行える拠点として整備が進められている。2019年度末の全面開所に向けて工事が進む施設を訪ねた。

福島ロボットテストフィールド
(福島県南相馬市・浪江町)

  • 陸・海・空の環境を再現しながら、
    テストが行える研究開発拠点。

    福島ロボットテストフィールド(RTF)は、ドローンやロボットの各種実験、評価、訓練などが行える大規模施設。無人の航空機、配送車、潜水艇のほか、災害対応ロボットなど屋外で使うフィールドロボットを主な対象としている。陸・海・空の使用環境を再現しながらテストできる点がRTFの大きな特徴。世界でも類を見ない一大研究開発拠点として目下整備が進められている。
    2018年7月に無人航空機エリアが先行オープン。2019年度末には全施設の開所が見込まれている。
    RTFは「福島イノベーション・コースト構想」の一環として整備される施設だ。これは東日本大震災で失われた福島県浜通り地域などの産業回復を図り、新たな産業基盤構築を目指す国家プロジェクト。構想の柱となる6分野にはロボット関連が挙げられている。福島県では将来的に、このRTFを基盤としながらロボット関連産業の集積を図っていく考えだ。

    RTFの中心となる南相馬市では復興工業団地で施設整備が進む

  • 自由度の高い施設だけでなく、
    関連する補助金制度も利用可能。

    RTFの施設群は無人航空機エリア、インフラ点検・災害対応エリア、水中・水上ロボットエリア、開発基盤エリアという四つに大別される。
    このうち先行オープンした無人航空機エリアでは、すでに企業や研究機関による実証実験が行われている。遠距離通信を行う設備もあり、南相馬市から浪江町までの約13kmにおよぶ空域で飛行させることも可能。2019年2月には新たに試験用プラントも開設された。全施設完成時には試験準備塔や研究棟なども含め、長期活動拠点としての利用、事業所の開設、大規模会議の開催などにも対応できるという。
    さらに福島県では、福島イノベーション・コースト構想に関連した補助金制度も設けている。平成31年度「地域復興実用化開発等促進事業費補助金」制度では、ロボットなど重点分野の実用化開発を支援しようと上限7億円の補助金を用意。この制度は地元企業だけでなく、地元企業と連携しての利用も可能となっている。

    地上30mの試験用プラントではロボットによる災害対応試験を行う

  • ドローンによるコンビニ商品配送、
    郵便局間で荷物を運んだ実績も。

    RTFは全面開所に向けて整備中だが、すでに浜通り地域では多数の実証実験が行われ、メディアで報じられている事業も少なくない。
    楽天では2017年から、南相馬市でドローンによる商品配送サービスを実施。ドローンでコンビニエンスストア「ローソン」の商品を配送している。日本郵便では2018年、福島県内にある二つの郵便局間でドローンによる輸送を開始。南相馬市の小高郵便局から浪江町の浪江郵便局まで1日最大2往復し、2kg以内の荷物を運んでいる。
    また県内企業でも研究開発が進む。福島市のイームズロボティクスでは、ドローンを使ったイノシシ対策について研究。福島県では市町村や関係機関と協力し、イノシシが現れる場所の情報まで提供した。また南相馬市のeロボティクス福島では気象観測に取り組み、ドローン27機に編隊を組ませて上空2,000mでの飛行を計画している。

    無人航空機エリアを利用して行われたドローン編隊飛行実験の様子

福島ロボットテストフィールド

〒975-0036
福島県南相馬市原町区萱浜赤沼61

〈問い合わせ〉
〒960-8670
福島県福島市杉妻町2番16号(西庁舎10階)
TEL. 024-521-8568
FAX. 024-521-7932
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/robot/