福島県魏業立地ガイド

医療機器産業

NOSTRUM &
MEDICAL EQUIPMENT

ふくしま企業立地サポート

福島県が企業立地に優れている理由

02医療機器産業の集積地である福島県で、
開発から事業化まで一体的にサポート。

医療機器産業

福島県は、2015年に医療用機械器具の部品等生産金額で全国1位となった「医療機器生産県」。もともと関連企業が多数立地していたが、2005年に福島県が次世代医療産業集積プロジェクトを立ち上げたことで集積が促進されてきた。そんな中で開設されたのが、今回取り上げるふくしま医療機器開発支援センターだ。東日本大震災からの復興を後押しすることも、その役割の一つ。国内外から利用者が訪れるという施設を取材した。

ふくしま医療機器開発支援センター(福島県郡山市)

  • 福島県内に形成されている、
    医療機器産業クラスターの中心。

    ふくしま医療機器開発支援センターがあるのは福島県中央部の郡山市。東京からは東北新幹線で80分ほどの距離だ。県内にはもともと医療機器大手の生産拠点が多かったが、2005年に福島県が産学官の連携による医療機器関連分野の集積を図るため次世代医療産業集積プロジェクトを立ち上げたことで集積がさらに進められてきた。
    しかし、2011年に東日本大震災が発生。県内企業にも大きな影響をもたらすことになる。その復興に向け、福島県では2013年に一般社団法人ふくしま医療機器産業推進機構を設立。2016年にはセンターが開設されるにいたった。
    その状況が示すように、県内には医療機器大手の生産拠点とそれらを支える中小企業など70社以上が集まり、医療機器産業の一大クラスターを形成している。福島県は2015年、医療用機械器具の部品等生産金額で全国1位となったが、この記録もその象徴と言えるだろう。

    延床面積11,529㎡もの施設では各種安全性試験などに対応している

  • 世界的にも希少な安全性評価施設。
    150頭のブタによる試験も可能。

    センターの主な機能としては、安全性評価機能、人材育成・訓練機能、コンサルティング・情報発信機能、マッチング機能の四つが挙げられる。特に安全性評価機能では、試験所の運用能力に関する公的認定ISO/IEC17025に対応。また、国際的な認証であるGLP、AAALACの認証取得を見込むほか、臓器の大きさなどが人に近い、ブタを用いた生物学的安全性試験を実施でき、最大150頭の飼育も可能という世界的にも希少な施設となっている。
    加えて、高度な断層画像が撮影できるMRI、国内では数少ないX線遮蔽機能をもつ電波暗室など、充実した設備も特徴だ。生物学的なものだけでなく、電気、物理、化学的な安全性試験にも幅広く対応。さらに、獣医、放射線技師、臨床検査技師などの専門家が勤務していることも見逃せない要素だろう。充実した設備と人材で医療機器開発を支援するのがセンターの役目。初期段階から事業化への最終試験にいたるまで、一体的な企業支援に取り組んでいる。

    X線遮蔽機能をもつ10m法電波暗室

  • 新規参入から専門家とのマッチング、
    人材育成まで総合的にサポート。

    医療機器産業はモニターなどの液晶、人工骨などの素材をはじめ、関わる産業領域が広く、工夫次第で対応できる企業も多い。そこでセンターでは、業界団体である福島県医療福祉機器産業協議会の事務局として、県内企業約70社が定期的に意見交換する場を提供。隠れた技術の掘り起こしを促している。また東北大学、慶応義塾大学、日本大学などの研究者からの助言が可能となるほか、豊富な人的ネットワークを基に最適な専門家を紹介するマッチングも実施。人材育成の分野では、臨床現場に即した環境で各種手技トレーニングを行う場として活用され、医療機器メーカーによる新製品PRの場としても利用されている。
    開設から2年ほどで、顧客は約50社ほどにいたった。その中には東京や関西などの大都市圏だけでなく海外の企業もあり、リピーターとして複数回利用する企業も多い。企業からの評価は高く、そのサポート範囲は世界的なものになりつつある。

    手術室・研修室間の双方向で通信できる
    アンギオハイブリッド模擬手術室

ふくしま医療機器開発支援センター

〒963-8041
福島県郡山市富田町字満水田27番8
TEL.024-954-4011
FAX.024-954-4033
http://www.fmdipa.jp