「ナイス ステップな研究者」に
作物園芸部畑作科
二瓶直登副主任研究員が選ばれました!!

 当センター作物園芸部畑作科 二瓶直登副主任研究員が、「ナイス ステップな研究者」(2007年)に選ばれました。「ナイス ステップな研究者」とは、科学技術政策研究所が、科学技術の振興・普及における顕著な業績の中から、科学技術政策上特に注目すべき業績を選定するもので、今年度は全国から10組13名が選定されました。
 このページでは、二瓶直登副主任研究員の研究等について、紹介します。
 

研究の背景と内容について教えてください
 福島県では有機農業を推進していますが、農作物が有機物を吸収する過程はまだ未解明な部分が多く、有機物の施用効果の科学的根拠が必要であると感じていました。
  有機肥料では、無機肥料と異なり、有機態と無機態の窒素が供給されます。一般にこれまでの植物栄養学では、植物は無機態の窒素を吸収する(無機栄養説)とされており、有機態の窒素についての研究はほとんどありませんでした。
 そこで「有機肥料の有機態窒素を中心とした有効成分の解析」というテーマで、有機肥料で供給される窒素成分のうち、有機態窒素の最小単位となるアミノ酸が植物に与える影響やどのように吸収されるかについて、研究を行いました。
 実験してみると、アミノ酸でも植物は生育することが分かり、アミノ酸の種類によっては無機態の窒素で育てた時より生育のよくなるものもありました。また、アミノ酸の吸収速度の測定や、根から吸収されて地上部へ移行する様子を動画で撮影することにも成功しました。
 現在は、有機農業の現場で利用できるように、どのアミノ酸が農作物に対してどのような効果があるかを一つ一つ明確にし、栽培のための指標を作ることを目標に研究に取り組んでいます。

対照区 Gln(グルタミン) Gly(グリシン) Met(メチオニン)
対照区
(NO3 硝酸態窒素)
Gln(グルタミン) Gly(グリシン) Met(メチオニン)
異なるアミノ酸を与えた場合のキュウリの生育の様子
根からアミノ酸(グルタミン)を吸収する様子 アミノ酸が地上部へ移行する様子
根からアミノ酸(グルタミン)を吸収する様子 アミノ酸が地上部へ移行する様子
(左からアラニン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン)

研究での苦労は?
 苦労というと数え切れないほどあるのですが、実験に用いる植物の苗を無菌状態で生育させる必要があり、そこで何度もカビが発生してしまったことなどです。また、養分吸収の効果が顕著な植物とそうでない植物とがあり、成果を得るまでは試行錯誤の連続でした。

今後の研究の展望は?
 この研究はまだまだ基礎的なものなのですが、有機農業を科学的に解明する突破口となる成果だったと思います。
 今後は、アミノ酸を中心に有機態窒素の養分供給過程について明らかにしていき、効率的な有機農業技術の開発や理想的なアミノ酸組成を持った肥料の開発等に取り組んでいきたいと考えています。

最後に、受賞に際しての気持ちを教えてください
 受賞が決まったときは、本当にびっくりしました。正直なところ、自分でいいのかという思いもありました。
 研究としても、まだまだ入り口の段階なのもので、ステップの一段目ということでの受賞だと感じています。今後もがんばっていきたいと思います。
 この研究にあたって、財団法人新技術振興渡辺記念会の研究費助成をはじめ、東京大学中西友子教授のご協力や職場の皆さん、特に畑作科の皆さんの多大なご協力をいただきました。この場をかりて感謝の気持ちを表したいと思います。本当にありがとうございました。

畑作科の皆さんと一緒に

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