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よなべの会/二本松市
農民の生活と文化を後世へ伝えるために
齋藤徹さん
齋藤徹さん
 農家の道具づくりは、稲刈り後から冬の農閑期にかけて「よなべ仕事」として行われてきました。親から子へ、子から孫へと伝えられてきた技術が、伝承者の高齢化によって消えようとしています。
 「いま取り組まなければ、後世に残すことはできない」という危機感をもち、映像や文章、写真などに技術を記録しているのが北阿武隈における物作りの技を記録保存する仲間「よなべの会」です。会員は、「この地に暮らし、これらの記録の必要性に気づいた人」たち。代表を務め、中心的に活動しているのは、二本松市太田在住の人形細工人・齋藤徹さんです。
 「60歳代の自分は、これらを使った経験はあります。さらに70歳代は作った経験がある。私たちの世代はもう、技術を受け継ぐことはできません。だから、せめて記録を残そうと呼びかけて活動しているわけです」
 江戸時代に作られた瑠璃人形やからくり人形を検証しながら、制作や修理を続けてきた齋藤さんは、ご自身が試行錯誤し苦労してきた経験から、後世の人が「これを見て作ることができるように」という視点で記録を続けています。物は残せても、「技術」は、いったん途絶えると復活させるのは非常に困難である……それは、齋藤さん自身が、日本にもう数人しか残っていない人形細工人だからこそ、常々実感してきたことでもあります。
 技術をもつ地域の人たちも、自分たちの技術を後世を伝えるこの活動には非常に協力的で、これまでに、「箕」と「蓑」、「タンガラ」、「年中行事の作り物」を記録しました。平成19年は「むしろ織り」、「履物」に取り組んでいます。平成18年に行った最初の記録「箕を作る」のなかで齋藤さんはこう記しています。「日本の何処かでこの記録を目にしたとある青年がふと箕作りを思い立ってくれれば、この記録の役目は果たされた事になる。箕の享年が一代延びるから」……この一文からも、連綿と受け継がれてきた「技術」に寄せる齋藤さんの想いが伝わってくるようです。
よなべの会Photo1

よなべの会Photo2

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